8月に入り、コシヒカリが出穂を迎えました。今まさに白い花を咲かせていて、生長の具合はほぼ平年通りです。
6月から7月下旬は長梅雨で気温も上がらず、日照時間も平年の半分以下でした。しかしながら夜温も低かったので、消耗(無駄な呼吸)が少なく生育も遅れないで出穂。
8月に入り、梅雨明けと共に一気に気温が上がってきました。太平洋高気圧の張り出しが弱く、7月の梅雨前線が停滞したことで各地で洪水の被害が出ました。会津も何度か洪水警報が発令され、排水路が溢れそうになりましたが、田圃ダムのお陰で難を逃れました。
昨年は10月の台風による洪水で、郡山市に下宿している息子の下宿先と高校の校舎も1m以上冠水したのを思い出しました。今回の被害で被災された方々が、いまだに日常に戻れていないことを考えると、心が痛みます。
新型コロナウィルスも収まりを見せませんが、こんなに生活しにくい世の中にしたのも私達人間ですので、便利さを追求し外資に頼っている現状を見つめ直す時期なのでしょう。
さて、田圃はこれから登熟期に入ります。長雨で土壌が酸欠気味になり、根っこの活力が弱っているのが最大の心配事ですが、お天道様をいっぱい浴びて一粒一粒に栄養を蓄えてほしいです。
9月末の稲刈り作業にむけてまだまだやらなければいけない事が沢山です。暑さに負けないで、体を慣らしながら取り組んでいきます。
また、今年のお米からは収穫後の放射性物質検査が変更になりました。昨年までは国・県の指示によって全量全袋検査を実施し、基準値(100Bq/kg)を超えたお米は隔離され流通されないように取り組んできました。今年からは抽出検査になります。
震災から9年が経ちましたが、県は5年以上連続で安全基準値を超えるお米が出なくなったら、検査方法を見直し、地域ごとの抽出検査に移行することになっておりました(その間、土壌検査も並行して毎年実施されてきました)。
これまでに私どもの圃場がある会津坂下町はもとより、会津地域からは震災後、一度も一袋も基準値を超えたお米が出たことはありません。今年より検査方法が変更になりますが、徹底した検査を実施してきた結果の証として、今後とも安心して提供できますことを喜んでいるところです。
これから最後の作業と稲刈り、乾燥、調整後に米穀検査を受けて10月中旬には新米をお届けできると思います。残暑が厳しいと思いますが、気を抜かず稲と向き合って参りますので、皆さんもお体には十分にご留意ください。